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商品開発・改良支援の取り組み<buyer’s one>は
バイヤーと共にマーケットの需要を踏まえた商品作りに取り組める貴重なサービス。
売れる商品づくりの実現に向け、第一線で活躍する現役バイヤーが商品開発・改良から販路開拓までサポートします。
ブログでは、buyer’s oneに参加し商品開発や改良に取り組んだ事業者の声を、シリーズでお届け。
今回は、『株式会社藤乃屋×株式会社大丸松坂屋百貨店 くりまつり・抹茶くりまつり』です。
buyer’s one/buyer’s roomについては https://buyers-room.com/ をチェック
昭和25年に岐阜県加茂郡八百津にて創業し、現在は栗きんとんを主力商品に、地元のお土産菓子の製造や、栗を主力とした和洋菓子店を運営する株式会社藤乃屋。「buyer’s one」をきっかけに、クリーム大福と栗きんとん、モンブランを掛け合わせた独創的なスイーツ「くりまつり」が百貨店のお歳暮ギフトに採用され、翌年のお中元には共同開発した「抹茶くりまつり」を販売。取締役の後藤隆宏さんに、取り組みを振り返っての思いや今後の展望についてお聞きした。

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――2025年度のお中元カタログでは仕様を変えた「抹茶くりまつり」を販売し、冬のお歳暮も昨年に引き続き採用が決まっていますね
2024年の「buyer’s one」への参加をきっかけに大丸松坂屋さんとのマッチングが決まり、弊社の既存の栗スイーツをベースに仕様変更を行なった「くりまつり」をその年のお歳暮に採用していただきました。カタログの目立つ場所に商品を掲載くださったおかげもあって975件もの注文が入り、約526万円の売上を達成することができました。また、夏のお中元用カタログでは抹茶バージョンの「抹茶くりまつり」を共同開発し、約400個を販売。今冬のお歳暮カタログにも継続して「くりまつり」を掲載いただく予定です。
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――「buyer’s one」に参加されたきっかけは何だったのでしょうか

地元八百津町の商工会に青年部の頃から参加しており、その紹介で「buyer’s one」の取り組みを知りました。弊社は、岐阜で和洋菓子店を2店舗運営するほか、地元産栗の加工工場をもち、栗きんとんをはじめとする栗スイーツを約20品製造しています。岐阜のお土産品としての商品が売上の6割を占めており、主に高速道路のSAや道の駅などで販売していますが、今後は高級志向のギフト市場をターゲットとした高価格帯の商品を新たに開発したいと考えていました。また、栗はどうしても季節性が強い商材で売れる時期が秋に偏っているため、クリスマスやお歳暮、夏季の販売を伸ばしたいという思いもあり、エントリーしました。
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――「くりまつり」「抹茶くりまつり」は、どのように商品改良を進めていかれたのですか

「buyer’s one」にエントリーしたのは看板商品の「栗きんとん」でしたが、バイヤーの渡邉さんとお歳暮カタログへの掲載を前提にお話を進めるなかで弊社の他の商品も検討し、とくに興味をもっていただけたのが「栗松利(くりまつり)」という商品でした。弊社のカフェで人気のパフェやデザートを「お土産として持ち帰りたい」というお客さまのリクエストから誕生した商品で、栗のクリーム大福の上に、栗きんとんを1mmの細さに絞って箱に入れてみたのがはじまりです。味に関しては渡邉さんにもすぐにOKをいただけたので、見た目の華やかさを増すため黄色い栗の甘露煮をトッピングするなど、百貨店のお歳暮にふさわしい仕様変更を行ないました。

次に、お中元用の商品開発ですが、はじめは「夏は涼しげなスイーツが売れる」「色鮮やかな商品が目を引く」という渡邉さんのアドバイスを受けて、フルーツを使ったカラフルなわらび餅を提案したんです。一度は採用に至ったのですが生産性などの課題もあり、再度渡邉さんから「スイーツのカタログギフトでは、トップ10に抹茶商品が入る」と聞き、「くりまつり」をベースに抹茶の要素を入れ込むことに。下は抹茶のわらび餅、上は濃い色の抹茶栗きんとんを絞り、「抹茶くりまつり」が完成しました。
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――取り組みを進める中で、とくに印象に残っているのはどんなことですか

これまで販売ルートは地元の販売店のほかはふるさと納税などが中心でしたので、百貨店との取り組みは初めてでした。まず驚いたのは、東京の単価の高さと栗に対する価値観の違いです。消費者の方は「高くて質のいいもの」を求める傾向があり、「栗=高級品」というイメージもあるので、「岐阜の栗でも、高級ギフトとして勝負できるんだ!」と自信になりました。また、バイヤーさんやカメラマンさんなどとの新しい出会いからも、大変刺激を受けました。様々な立場のプロの仕事を目の当たりにできたことで、自分が知りえなかった部分にも多くのこだわりがあり、それが商品の売れ行きを左右するのだと知りました。
渡邉さんは東京を主戦場にしているため、打合せの際は鋭い質問も多かったですが、やさしくておおらかな人柄で、販売が決まってからのケアもしっかりとしてくださり、一緒に仕事ができて本当によかったです。スムーズに進行できたのは、事務局の方が間に入ってサポートしてくださったことも大きいと感じています。
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――「buyer’s one」での成果を、今後どのように活かしていきたいですか

今回、全国展開する百貨店に商品を採用いただけたことで高級ギフトの展開にも自信がもてたので、来年以降は関西方面の百貨店などにも販路を拡大できたらいいなと考えています。機械化も徐々に進め生産力も安定してきたので、ゆくゆくはネット通販ものばしていきたいです。
また一方で、お菓子に限らず職人はどうしても他人の意見を聞き入れることが難しい面がありますが、今回の商品改良を通じて自分にもそういう一面があるのだと改めて気づかされました。自分のつくったものを過信せず、他からの意見を真摯に受け止めて努力を続けることが、よりよい商品や新しい商品開発に繋がるのだと実感しました。今後は、和洋菓子をやってきた自分の強みを活かして、世の中のニーズに合ったお菓子を提供していきたい。そのために、自分自身の引き出しも増やすべく精進していきたいと思います。
昭和25年、岐阜県加茂郡八百津にて初代・後藤秀吉が創業した「藤乃屋」の3代目。都内の製菓専門学校を卒業後、和洋菓子の専門店で経験を積み、家業を継ぐ。初代は町内の給食パン製造卸売を生業とし、時代の流れに沿って冠婚葬祭の引菓子、和菓子へ主要事業をシフトさせる。2代目が和洋菓子店で就業し得た技術と知識を生かし、1977年に洋菓子の製造販売をスタート。隆宏氏はブランディングに注力し、和菓子と洋菓子をそれぞれ専門店化。市内で「カフェ ド ヴァン ソレイユ」、「栗カフェふじのや」を運営するほか、栗や柚子など地元素材の加工工場、栗きんとん製造工場をもち、地産地消のお菓子で地域振興にも取り組んでいる。
飲食業界の専門誌の編集を経て、2007年にフードライターとして独立。
飲食業界誌・料理専門誌を中心に、雑誌・WEB等で執筆。
CANVAS 広報・メディア部門 パートナー。
商品開発・改良支援の取り組み<buyer’s one>は
バイヤーと共にマーケットの需要を踏まえた商品作りに取り組める貴重なサービス。
売れる商品づくりの実現に向け、第一線で活躍する現役バイヤーが商品開発・改良から販路開拓までサポートします。
ブログでは、buyer’s oneに参加し商品開発や改良に取り組んだ事業者の声を、シリーズでお届け。
今回は、『株式会社藤乃屋×株式会社大丸松坂屋百貨店 くりまつり・抹茶くりまつり』です。
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昭和25年に岐阜県加茂郡八百津にて創業し、現在は栗きんとんを主力商品に、地元のお土産菓子の製造や、栗を主力とした和洋菓子店を運営する株式会社藤乃屋。「buyer’s one」をきっかけに、クリーム大福と栗きんとん、モンブランを掛け合わせた独創的なスイーツ「くりまつり」が百貨店のお歳暮ギフトに採用され、翌年のお中元には共同開発した「抹茶くりまつり」を販売。取締役の後藤隆宏さんに、取り組みを振り返っての思いや今後の展望についてお聞きした。

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