商品開発・改良支援の取り組み＜buyer’s one＞は
バイヤーと共にマーケットの需要を踏まえた商品作りに取り組める貴重なサービス。
売れる商品づくりの実現に向け、第一線で活躍する現役バイヤーが商品開発・改良から販路開拓までサポートします。
ブログでは、buyer’s oneに参加し商品開発や改良に取り組んだ事業者の声を、シリーズでお届け。
今回は、『株式会社状元食品×株式会社大丸松坂屋百貨店　彩り点心セット（椿）、彩り点心セット（蓮）』　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　『株式会社状元食品×大阪ガス株式会社/株式会社ビームスホールディングス 　BEAMS肉まんじゅう』　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　『株式会社状元食品×株式会社大寿　海老入り水餃子』です。
buyer’s one／buyer’s roomについては https://buyers-room.com/ をチェック

1955年の創業以来、「美」をコンセプトに伝統とモダンを融合した上海料理を提供している「状元樓」。その系列会社である状元食品では、お店の味を自宅で楽しめる点心のセットや麺・飯をオンラインショップや百貨店、スーパーなどで展開している。看板商品の手づくり点心は、「buyer’s one」への参加をきっかけに大丸松坂屋百貨店のお歳暮・お中元に継続して採用されたほか、スーパーやアパレルブランドへの販路拡大も実現した。取り組みの成果と今後について、専務取締役の陣大介さんにお聞きした。

• CONTENTS
  • ①百貨店、スーパー、アパレルと幅広い業態で商品を展開
  • ②主食＆点心のギフトが大好評。新たなギフト商品の柱に
  • ③お客様のニーズに寄り添うOEMの商品開発も経験
  • ④手づくりのおいしさにこだわりながら、お土産市場も開拓したい

①百貨店、スーパー、アパレルと幅広い業態で商品を展開

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――大丸松坂屋での2024年お歳暮が190万円の売上に。継続して夏・冬のギフトでの掲載が決定したほか、アパレルブランドのBEAMS向けに開発した「肉まん」の販売や、スーパー「大野屋」での販売など、幅広い業種での販路拡大にもつながりました

2024年の「buyer’s one」への参加をきっかけに、東急百貨店さん、大丸松坂屋さん、大野屋さん、ヨシケイ東埼玉さんなどとマッチングが実現しました。大丸松坂屋さんでは、価格違いの「彩り点心セット」（蓮）4320円、（椿）5400円を販売していただき、190万円の売上に。また、2024年11月末にはBEAMS横浜旗艦店にてOEM開発した「BEAMS肉まん」を販売いただきました。さらに、「大野屋」さんではご家庭用の「海老入り水餃子」を販売いただき、その実績をもとに出展した2025年11月の「buyer’s room」では大阪ガス株式会社から審査員特別賞をいただきました。

 

――「buyer’s one」に参加されたきっかけは何だったのでしょうか

インフルエンサーさんからの紹介で知りました。弊社は、横浜中華街と東京・自由が丘で上海料理店「状元樓」を運営し、点心などの通販や卸も手掛けています。通販の商品は本店の裏にある工場で製造しており、点心師が作る本店の味そのままの商品をお届けできるのが強みです。これまでも百貨店やスーパーさんとの取引実績はありましたが、ギフトシーズンの発送が重なるため通年安定して販売できる販路の開拓や、より魅力的なギフトの開発を目的にエントリーしました。

 

②主食＆点心のギフトが大好評。新たなギフト商品の柱に

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――「彩り点心セット」「BEAMS肉まんじゅう」「海老入り水餃子」は、どのように商品改良を進めていかれたのですか

 

「彩り点心セット」は、大丸松坂屋さんのお歳暮ギフトとして、弊社の人気商品である女性オーナーならではのこだわりを反映させた彩り豊かな点心を中心に開発しました。これが非常に好評で、その後も継続的にお取引いただけることが決まりました。夏のギフト向けにふかひれスープやサンラータンの試作を行いましたが、最終的には点心セットを夏仕様の大丸松坂屋オリジナルにアレンジすることに。開発を進める中で、「点心に主食がついたセットは市場にあまりないのでは」という話になり、上海料理店らしさを感じられる黒醬油炒飯と、ハーブ豚餃子をセットにしました。

「BEAMS肉まんじゅう」は、アドバイザーの猪口さんのご紹介でご縁をいただき実現しました。アパレル企業であるBEAMSが2024年11月末に食品も扱う旗艦店を開店するのに伴い、お店のアイコンになるようなイートイン商品をOEM開発することに。BEAMSのブランドカラーのオレンジ色に、ブランドロゴの焼き印を入れたオリジナルの肉まんじゅうが完成しました。

「海老入り水餃子」は、スーパーの大野屋さんと「手に取りやすい価格で本格的な点心を楽しめる」ことをコンセプトに商品として開発しました。スーパーのお客様は、味の想像がしやすい商品を好むとアドバイスいただき、商材は海老入りの水餃子に決定。中身が見える透明のパッケージに、本店のファサードのイラストを描いたラベルを貼り、状元樓というお店の商品であることがわかりやすく伝わるようにしています。

 

③お客様のニーズに寄り添うOEMの商品開発も経験

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――取り組みを進める中で、とくに印象に残っているのはどんなことですか

 

本店の雰囲気の中で、一番おいしい状態で商品を味わっていただきたいという思いから、アドバイザーの皆様はできる限り店舗にお招きし、工場も見学いただいて直接説明をしながら商談を進めてきました。通販の商品も本店があってこそ価値が出るものだと改めて感じましたし、ブランドとしてのディテールへのこだわりも伝えることができてよかったと感じています。

またBEAMSさんとの取り組みでは、アパレルブランドのOEMということで、お客様のニーズに寄り添った商品開発という新しい経験をさせていただきました。かわいいおまんじゅうができたと、喜んでいただけてよかったです。

 

④手づくりのおいしさにこだわりながら、お土産市場も開拓したい

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――「buyer’s one」での成果を、今後どのように活かしていきたいですか

大丸松坂屋さんのような全国区の百貨店さんとお取引させていただき、関東圏以外の方にも「状元樓」というブランドを知っていただく機会が生まれたことは本当にありがたいと感じています。「buyer’s one」での成果もあって外販事業は昨対比1.5倍に伸長しており、もっかの課題は生産力。冷凍のストックルームに限界があるためいずれは工場の拡大も視野に入れていますが、まずは手づくりとおいしさにこだわった商品をしっかりと作り、価値を理解いただけるところに販売をしていきたいと考えています。

また弊社は、2025年2月に新業態となる「Patissieres JOGENRO（パティシエール状元樓）」をオープンしました。常温で持ち運びできるギフト菓子を中心に、中華街のお土産ニーズに応える商品を揃えており、外販事業の新たな柱として育てていきたいです。

 

【プロフィール】株式会社状元食品　　専務取締役　陣大介さん

1955年、初代オーナーの松方珠英さんが横浜中華街に開業して以来、女系3代で営む上海料理店「状元樓」。その外販事業を担う状元食品で専務取締役を務める陣大介さんは、旅行代理店を経て独立し、保険代理店業を営んでいたが、2021年に妻の家業である「状元樓」にジョイン。外販事業の拡大のかたわら総務など経営全般のバックヤード業務を担い、ブランドのさらなる成長を支えている。

聞き手・文：フードライター　笹木 理恵

飲食業界の専門誌の編集を経て、2007年にフードライターとして独立。
飲食業界誌・料理専門誌を中心に、雑誌・WEB等で執筆。
CANVAS　広報・メディア部門　パートナー。

笹木理恵 https://news.yahoo.co.jp/users/expert/sasakirie