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ワンハンドで楽しむ「飲む」かき氷が百貨店ギフトへ。
販路を広げ、累計約1万セットを販売
<from buyer’s one>

  • 投稿日 : 2026/10/30
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  • 最終更新日 : 2026/10/30

審査会型ビジネスマッチングイベント<buyer’s room>は
賞の授与による商品の付加価値向上と、バイヤーと食品メーカーのビジネスマッチングサービス。
ブログでは、buyer’s roomに参加した事業者の声を、シリーズでお届け。
今回は、『株式会社アイスイノベーション/四代目大野屋氷室』です。
buyer’s roomについては https://buyers-room.com/ をチェック

ワンハンドで楽しめる「飲む」かき氷「Chururu Shaved Icea®」

昭和20年創業、東京で80年以上にわたり氷と向き合ってきた大野屋氷室。四代目・大野勇さんが約2年をかけて開発したのが、店のかき氷を自宅でも気軽に楽しめる、ワンハンドタイプの「飲む」かき氷「Chururu Shaved Ice®」だ。2020年の発売当初は、透明のパウチに商品を入れ、一般的な段ボールで発送するシンプルな商品だった。そこで2021年に参加した「buyer’s one」での商品改良では味そのものは評価され、課題となったのはパッケージやギフトとしての見せ方。そこを整えた後、「buyer’s room」にて経済産業大臣賞を受賞。その後、お中元などの百貨店ギフトカタログやECサイトへ販路が広がり、現在までの累計販売数は約1万セットに。商品を変えるのではなく、売り方を整えることで販路がどう変わったのか。その後の展開と、老舗氷店が次に目指す取り組みを大野さんに聞いた。

    • CONTENTS

    • ①百貨店のギフトカタログ・ECへ販路を広げ、累計約1万セット
    • ②味には手を入れず、「商品としての見せ方」を整えた
    • ③大丸松坂屋百貨店で約1,000セット完売。ギフト販路で継続販売
    • ④次に売りたいのは、商品ではなく「氷そのもの」


①百貨店のギフトカタログ・ECへ販路を広げ、累計約1万セット

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――経済産業大臣賞の受賞後、販売や取引はどのように変わりましたか。

一番大きいのは、商品を知っていただく機会が増え、取引先が広がったことです。「飲むかき氷Chururu Shaved Ice®」は発売当初から店舗のお客様にはリピートしていただいていましたが、販売できる範囲は限られていました。
「buyer’s one」で味は評価していただけました。一方で、商品として見たときに足りなかったのが、パッケージやギフトとしての見せ方でした。そこを整えたことで、お中元などのギフト商品として提案できる形になり、百貨店のギフトカタログやECサイトで取り扱っていただけるようになりました。
店頭に並ぶ商品としてではなく、ギフトカタログやECという販路に乗せられる商品になったことが大きかったと思います。さらに経済産業大臣賞を受賞したことで、商品を知っていただく機会が増え、新しい商談や取引にもつながりました。
「buyer’s one」への参加から「buyer’s room」での受賞、その後の販売までを振り返ると、これまでに累計で約1万セットの販売につながったと考えています。

 

②味には手を入れず、「商品としての見せ方」を整えた

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――「飲むかき氷Chururu Shaved Ice®」は、どのような発想から生まれたのでしょうか。

店で出しているかき氷を、ご家庭でも気軽に楽しんでいただきたいという思いが出発点です。氷屋が作るからには、氷のおいしさを感じてもらえる商品にしたい。一方で、家庭でかき氷機を用意しなくても楽しめる形を考え、ワンハンドで飲めるスタイルにたどり着きました。
商品化までには約2年かかりました。見た目はシンプルですが、実際につくると難しいことが多かったです。
特に苦労したのが、最初から最後まで同じ味で楽しめるようにすることです。甘味のシロップは氷より比重が重いため、そのままでは下へ沈みます。先にシロップだけが口に入れば、最初は甘すぎて最後は味が薄い商品になってしまう。添加物に頼らず、ひと口目から最後まで味のバランスが崩れないよう試行錯誤を重ねました。
一方、販売面はかなり素朴でした。発売当初は透明なパウチに入れただけで、ロゴもなく、発送も一般的な段ボール。「おいしいものはできているけれど、商品としてどう見せるか」という部分は、まだ整っていなかったんです。
「buyer’s one」では、味を変えることよりも、この“見え方”に手を入れるべき、ということを教えていただき、大変参考になりました。パッケージやギフト箱を整え、贈り物として選びやすい形にした。中身を大きく変えず、価値の伝わり方を変えたことが、その後の販路拡大につながったと思います。

 

③大丸松坂屋百貨店で約1,000セット完売。ギフト販路で継続販売

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――具体的には、どのような販売先へ広がりましたか。

 

大丸松坂屋さんでは、2022年夏のお中元ギフトとしてカタログとWebサイトに掲載していただき、合計約1,000セットを完売しました。
その後も継続してお取り扱いいただいています。天候による変動はありますが、冷夏の年でも500~600セットほど。2026年も約600セットを販売しました。
東急百貨店さんでは、最初はWebの選べるギフトから始まり、その後、お中元のギフトカタログにも掲載いただくようになり、約750セット(2024年)、約1,100セット(2025年)、2026年も約1300セットを販売しています。さらに同年9月にはテレビで商品が紹介され、放送後には想像を大きく超える数の注文につながりました。百貨店ギフトを中心に販売してきた商品が、改めて幅広い層に知られるきっかけにもなりました。
JALUXさんからの紹介では、北陸の百貨店・大和さんのギフトカタログにも採用され、100~200セットほどを販売しました。いずれも店頭販売ではなく、お中元などのギフトカタログやECサイトを中心とした展開です。
一度掲載されて終わりではなく、継続して取り扱っていただけていることに手応えを感じています。また、「buyer’s one」や「buyer’s room」をきっかけとした取引とは別ですが、大阪・関西万博の日本マルシェでは、富山のバラと北陸の塩を使った特別仕様の「ローズストロベリーソルト」の飲むかき氷も販売しました。「飲むかき氷Chururu Shaved Ice®」という商品を起点に、百貨店ギフトだけでなく、地域素材とのコラボレーションにも展開が広がっています。

 

④売上だけではない。「氷屋」という仕事にも目が向いた

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――受賞によって、売上以外にも変化はありましたか。

 

ありました。商品だけでなく、「氷屋」という仕事そのものに目を向けてもらえるようになったことです。
氷の卸業は、業界では衰退産業とも言われています。そんな中で、昔ながらの氷屋が自分たちの強みを使って新しい商品をつくり、それが評価された。東京都氷雪販売業生活衛生同業組合(氷組合)をはじめ、同業の方々にもとても喜んでいただきました。「氷屋でも、こういう商品や売り方ができる」と業界の中で話題になったことも印象に残っています。
商品が売れたことはもちろんうれしいのですが、ここまで氷屋の仕事そのものに話が広がるとは思っていませんでした。長年続けてきた仕事に、まだ新しい見せ方や届け方がある。そのことを示せたのは、大きな意味があったと思います。

 

⑤次に売りたいのは、商品ではなく「氷そのもの」

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――今後、特に力を入れたい取り組みは何でしょうか。

改めて力を入れたいのは、本業である氷の卸です。特に、氷そのものを一般のお客様へ通販で届けるBtoCの取り組みを考えています。
これまでは飲食店やBARなど、プロ向けの卸売りが中心でした。ただ、一般のお客様にとって氷は、まだ「どれも同じ」に見える商品だと思います。
実際には、氷によって溶け方も違えば、飲み物に入れたときの味わいも変わります。長年氷を扱ってきたからこそ、状態を見極め、用途に合った氷を選ぶ目があります。その目利きで選んだ氷を、ご家庭でも体験していただきたいですね。
「飲むかき氷Chururu Shaved Ice®」は、昔からある氷屋の技術を、これまでとは違う形でお客様へ届けた商品でした。次は、氷そのものの違いやおいしさを伝えていきたい。飲食店への卸で培ってきた知識をBtoCでも生かし、氷を選ぶ文化そのものを少しずつ広げられたらと思っています。昔ながらの氷屋の仕事を次の時代につなぎ、衰退産業と言われる業界を盛り立てていける存在になることが、これからの目標です。

 

【プロフィール】四代目大野屋氷室 大野 勇さん

昭和20年創業。戦前から氷屋を営んでいた先代が、終戦後の東京・日本橋をリアカー一台で駆け回ったことから、現在へと続く大野屋氷室の歴史が始まる。
飲食店やBARなどへの氷の卸売りを続けながら、2017年には東京・上野に「四代目大野屋氷室」を開店。祖父から父、父から四代目へ受け継いできた氷の知識と技術を生かし、かき氷に適した部分を目利きして切り出す独自の氷「生氷®」を使用したかき氷を提供している。

 

【聞き手・文】名畑 嘉政(株式会社おいしいファンディング)

テレビ東京「虎ノ門市場」で長年バイヤーとして商品発掘・開発に携わる。現在はその経験を活かし、食品を中心としたメディア通販向けの商品企画・開発や販促支援を行っている。

CANVAS 流通部門 パートナー。

審査会型ビジネスマッチングイベント<buyer’s room>は
賞の授与による商品の付加価値向上と、バイヤーと食品メーカーのビジネスマッチングサービス。
ブログでは、buyer’s roomに参加した事業者の声を、シリーズでお届け。
今回は、『株式会社アイスイノベーション/四代目大野屋氷室』です。
buyer’s roomについては https://buyers-room.com/ をチェック

ワンハンドで楽しめる「飲む」かき氷「Chururu Shaved Icea®」

昭和20年創業、東京で80年以上にわたり氷と向き合ってきた大野屋氷室。四代目・大野勇さんが約2年をかけて開発したのが、店のかき氷を自宅でも気軽に楽しめる、ワンハンドタイプの「飲む」かき氷「Chururu Shaved Ice®」だ。2020年の発売当初は、透明のパウチに商品を入れ、一般的な段ボールで発送するシンプルな商品だった。そこで2021年に参加した「buyer’s one」での商品改良では味そのものは評価され、課題となったのはパッケージやギフトとしての見せ方。そこを整えた後、「buyer’s room」にて経済産業大臣賞を受賞。その後、お中元などの百貨店ギフトカタログやECサイトへ販路が広がり、現在までの累計販売数は約1万セットに。商品を変えるのではなく、売り方を整えることで販路がどう変わったのか。その後の展開と、老舗氷店が次に目指す取り組みを大野さんに聞いた。

    • CONTENTS

    • ①百貨店のギフトカタログ・ECへ販路を広げ、累計約1万セット
    • ②味には手を入れず、「商品としての見せ方」を整えた
    • ③大丸松坂屋百貨店で約1,000セット完売。ギフト販路で継続販売
    • ④次に売りたいのは、商品ではなく「氷そのもの」

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